― 思考を超えて「本当の自分」と出会う ―
人は誰しも、ふとした瞬間に「自分の中で誰かと会話しているような感覚」を覚えることがあります。
その声はあなたの思考でありながら、どこか別の存在のようでもあります。
過去を悔(く)い、未来を案じ、今この瞬間にいながらも心は常にどこかをさまよっています。
けれど、その声は本当に「あなた」なのでしょうか?
あるいは――あなたは、その声を静かに“聴いている存在”なのでしょうか。
この問いかけこそが、心の奥に眠る「本当の自分」に出会うということです。
今回は、思考や感情を観察し、静けさの中に自由を見出す“内なる旅”へと参りましょう。
あなたの中の思考の声を観察する──心の静けさを取り戻す第一歩
思考と「観察する自分」の違いに気づく方法
私たちの心には、いつも何かを語り続ける“声”があります。
日々の決断、後悔、未来への不安、自己批判──
そのすべてに関与するこの「声」は、一体何者なのでしょうか。
この声は、あなたが何かを選ぶたびに意見を述べ、
誰かとの会話を終えたあとで「ああ言えばよかった」と繰り返し検証し、
何もしていない時ですら過去や未来のシミュレーションを始めます。
しかし、私たちはその声ではありません。
それを静かに見つめる「観察者」であり、「意識」そのものです。
思考を止めようとする必要はありません。
ただ、「ああ、今この声がまた始まったな」と気づくだけで十分です。
思考を観察すると心が軽くなる理由
観察者として自分を見つめると、心の波に飲み込まれなくなります。
自分を責める声も、不安も、ただの“通り過ぎる風”になります。
春に芽吹く木々が嵐を恐れず立ち上がるように、
あなたもまた、思考の風を受けながら根を張ることができるのです。
感情を受け入れ流す──心を癒す水のエネルギー
感情を手放すということ
感情を「抑える」必要はありません。
感情はコントロールすべき対象ではなく、「感じて、流して、手放す」ものです。
たとえば不安を感じたら、その感覚を身体のどこで感じているか意識してみましょう。
そして、そっと呼吸を整えながら――
「私はこの感情を感じています。そして、手放します」と心で唱えるのです。
感情は、やがて流れていく“水”のようなものです。
水は留めれば濁りますが、流せば澄んでいきます。
人生の流れに抗うのではなく、調和することが、軽やかに生きる秘訣なのです。
怒りや悲しみの裏にある「本当のメッセージ」を読み解く
怒りや悲しみといった感情も、あなたの“内なる声”が発しているメッセージです。
「私はいま、何を大切にしているのか?」
その問いに耳を傾けると、感情はあなたの味方になります。
秋の金の季節に実る稲穂のように、感情は心を成熟させるための栄養なのです。
人生をコントロールしようとする心をゆるめる方法
すべてを操ろうとしない勇気
私たちは、つい人生を思い通りにしようとしてしまいます。
けれども、自然の流れは誰にも止められません。
春が来て、夏が過ぎ、秋が実り、冬が訪れるように――
人生もまた、流れそのものが美しいのです。
「今できること」だけに意識を向けましょう。
結果を手放し、流れに委ねたとき、人生は不思議と整い始めます。
結果を手放すと訪れる心の安らぎ
行動はあなたの意志ですが、結果は天(=宇宙・自然)の領域です。
この真理を受け入れたとき、人はようやく安心して「今ここ」に根を下ろせます。
心を開くという選択
防御ではなく受容──心を開くとはどういうことか
傷つきたくないとき、人は無意識に心の扉を閉ざします。
けれど、扉を閉じれば風も光も入ってきません。
心を開くとは、無防備になることではなく、ありのままの自分を受け入れる勇気です。
欠点も、弱さも含めて「これが私」と言えるとき、人は本当の意味で他者とつながることができます。
感謝の波動が生み出す内なる豊かさ
小さな「ありがとう」を意識してみましょう。
日々の食事、家族の笑顔、季節の移ろい――
感謝は、心を柔らかくし、愛の循環を生み出します。
やがてあなた自身が「安らぎを与える人」となっていくのです。
「今ここ」に戻る力──五感と呼吸で整えるマインドフルネス
五感で現在に生きる
過去や未来に心が飛んだときこそ、五感を使って“今”に戻りましょう。
風の匂い、太陽の暖かさ、肌に触れる空気、遠くの音
その一つ一つが、あなたを現実へと優しく引き戻してくれます。
何が起ころうとも、どれほど感情が揺さぶられても、五感で”今”に戻りましょう。
あなたの自由は、あなたの内側にあるのですから。
呼吸がもたらす心身の浄化と調和
そして、呼吸は、心と身体をつなぐ架け橋です。
深く、静かに吸って、ゆっくり吐く――
ただそれだけで、心は自然と落ち着きを取り戻します。
その呼吸の流れを意識するたび、魂は澄み渡り、今ここに完全に戻っていきます。
本当の自由とは「静けさ」に帰ること
自由とは手放すこと──思考を超えた安らぎの感覚
自由とは、何かを得ることではなく、何かを「手放す」こと。
不安も、比較も、承認欲求も手放したとき、あなたの中に静けさが広がります。
その静けさこそ、冬の夜空のような無限の可能性
何もないことが、実はすべてを包み込んでいる――
そこに気づいたとき、人ははじめて真に自由になります。
静寂が教える自然との調和と再生のリズム
たとえば、二十四節気でいえば、冬至(とうじ)は“静けさの極み”
しかしその奥では、すでに春の芽が動き始めています。
あなたの心の静寂の中にも、新しい芽吹きが眠っています。
静けさに帰るとは、再び生命の循環と調和すること。
🌿心の声を手放す旅
思考も感情も、すべては自然の流れの一部です。
その流れを拒まず、ただ観察し、受け入れること――
それが「心の声を手放す旅」であり、真の自由へと至る道です。
今この瞬間も、あなたの中では静かな“水”が流れています。
その流れに身を委ねて、今日という一日をやさしく生きてみましょう。
『~1日10分で自分を浄化する方法~マインドフルネス瞑想入門 単行本』(ソフトカバー) 吉田 昌生 (著)
『ニュー・アース ― 意識が変わる 世界が変わる』(エックハルト・トール 著)


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